「データ理解を助けるビジュアライゼーション」を振り返って
エンジニアサポートCROSS 2013で「データ理解を助けるビジュアライゼーション」というセッションを行いました。多くの方に関心を持っていただき、立ち見が出るほどの盛況でした。このセッションはUstを切っていたので、内容に関して文字で残しておきたいと思います。ただ、私自身、緊張しながら司会をしていたので、正直ほとんどおぼえていませんw 思い出せる範囲の内容になります。
このセッションでは、
1. この分野で必要とされる能力はどんな能力か
2. 企業が可視化に割くべきリソースと優先順位について
3. データマイニング・可視化の今後
の3つのお題に対してパネルディスカッションを行いました。ざっくりとしたお題になっていますが、セッション終了後に多くの方から、お題の選択は難しすぎず、この領域のことをあまり知らなくても楽しめたと言っていただけたので、良かったのかなぁと思っています。
一つずつ見ていきます。
1. この分野で必要とされる能力はどんな能力か
- 目的をしっかり考えること。可視化は結果が目に見えるものなのでおもしろい。そして、その結果を見ると何か成果が出たような気になってしまう。手段が目的にすり変わってしまうということがよく起こる。目的を考え、企業であればいかにサービスを改善し、お金に結びつけられるかが重要なので、それを考えられる能力は必要。
- 統計学をしっかり学ぶこと。
- 数学や物理が得意な人でも、データを扱うことが好きではない人が解析、可視化をしても、見えてくるものはあまりおもしろくなかったりする。逆に、美大などの、数学は得意じゃないけど、データを視覚化することが好きな人たちが作るものからおもしろいものが見えてくることがある。データが好きだということが重要なのではないか。
2. 企業が可視化に割くべきリソースと優先順位について
可視化の重要性は認識され始めているが、導入は十分な水準ではない。それはなぜか?以下の3つの問題が考えられる。
- 可視化の費用対効果とは?
・可視化エンジニアが持つスキルセットを可視化に集中させて使うことに効果はあるのだろうか。何か一つ新しいサービスの立ち上げなどに使うことの方が効果が大きいかもしれない。可視化の価値がまだ未知数である。
・可視化は普段は意識していないけれど、あるとき突然必要になることが多い。
- 可視化の過去事例とは?
・アメリカでは、9.11以来、セキュリティなどの分野で可視化にお金が付けられる動きが起こったが、日本では起こらなかった。
・例えば、d3.jsや他の可視化ツールのほとんどは日本以外で作られたもの。日本で可視化に取り組んだ事例は少ない。
- 可視化エンジニアを採用するには?
・統計ができて、コーディングができて、可視化もできるようなスーパーマンはどこにいるのか。
3. データマイニング・可視化の今後
・今後は可視化の事例をたくさん作っていくことが重要。
・グラフィカシーと呼ばれる、データを見ることに対する教育を強化し、しっかりとした基礎知識を身につけられるように教育も変わっていくのではないか。
というような内容でした。
自分が発表者として発表をするという経験は何度かあったのですが、セッションのモデレーターをやるのは初めての経験で、緊張しました。いろいろ大変なこともありましたが、チャレンジできて良かったと思っています。
最後に、CROSS2013の事務局の方々、イベント関係者の方々にお礼申し上げたいと思います。特に事務局の方々は、個人的にお付き合いのある方が多く、いろいろ助けていただきました。ありがとうございました!